よく懐いているインコほど、放鳥後にケージへ戻るのを嫌がります。
手に乗って大人しくしているから、すんなり入ってくれるかなと思っても、いざケージの前に来ると逃げ出してしまい、気が付けば鬼ごっこになっていたり…。
なかなかケージに戻ってくれないときは、お互いに体力を使いますよね。コツを掴むとあっさり戻ってくれるようになるので、いろいろ試してみてください。
ケージに戻すときの基本
ケージに戻すときは、絶対に手で捕まえてはいけません!
手で捕まえて無理やりケージに戻すと、手を怖がり噛むようになったり、捕まえられるのが嫌でますますケージに戻らなくなってしまいます。
どうしても捕まえなくてはいけないときは、素手で掴むのではなく、タオルでそっと包むようにして捕まえてください。そうすると、タオルを嫌いになることはあっても、手を嫌いになることはありません。
また、毎日時間を決めて放鳥していると、インコも「そろそろ戻る時間だ」と認識します。放鳥中はたっぷり遊び、疲れさせることも大切です。
おもちゃやおやつで釣る
お気に入りのおもちゃやおやつをチラつかせて、徐々にケージへ誘導します。
この方法はとても有効ですが、何度もしていると学習して誘いに乗ってこなくなります。
お腹を空かせてケージに戻す
お腹を空かせて、餌を食べにケージに戻った時に扉を閉める方法です。放鳥している間にお腹が空くのを待っていると時間がかかるので、やり方としては、お腹が空いている時間に放鳥をする方が簡単です。
まずは1日に食べる餌の量を把握し、放鳥する時間を起点に一度に与える餌の量を調整します。
例えば、1日5gの餌を食べる場合、夕方に放鳥するとしたら、朝に3gの餌を入れ、夕方の放鳥後に2g追加します。これを何日か繰り返していると「放鳥後は餌がもらえる」と認識し、すんなりケージに戻るようになります。
※仕事などで長時間留守にする場合、空腹時間が長くならないように慎重に餌の量を調節してください。
わが家はダイエットで食事管理をしていることもあり、この方法が定着しています。
電気を消して暗くする
驚かせてしまう可能性もあるのであまりお勧めできませんが、どうしても逃げ回って捕まえられない!というときは、暗くして捕まえる方法があります。朝や昼間の明るい時間は使えませんが、夕方以降に有効な技です。
インコが止まっているタイミングを狙って電気を消します。飛んでいる時に暗くすると、着地に失敗して危ないので、必ず止まっている時に消してください。
真っ暗にすると、飼い主も見えなくて危ないので、薄暗い程度にしてください。
インコは暗闇でも人間と同じくらいは見えていますが、捕食される動物なので、暗い場所では大人しくなります。驚かさないようにそっと近づいて、手に乗せてケージに戻してください。
クリッカーでしつける
クリッカーはボタンを押すと「カチッ」と音が鳴るもので、犬や猫をしつけるときに使われます。
犬と同じようにインコにも使うことができます。
インコを褒めるときに「よし!」「いい子だね〜」「えらい!」など、さまざまな言葉をかけると思いますが、毎回同じ言葉でも日によってトーンが微妙に違っているので、インコは「今のは褒められたの?」と迷ってしまうことがあります。
クリッカーは毎回同じ音が鳴るので、クリッカーを鳴らし餌をあげると、「クリッカーの音=餌がもらえる=褒められている」と容易に関連づけることができます。
クリッカーを使って芸を教えることもできますが、日常のコミュニケーションで取り入れると、まるでインコに言葉が通じているかのように、言うことを聞いてくれるようになります。
「こっちに来て欲しい」「ココに乗って欲しい」「ケージに入って欲しい」など、飼い主が要求を伝えやすいと同時に、インコも「こうして欲しかったのか」とすんなり理解できるので、お互いにストレスなく意思の疎通が測れるようになります。
覚えるまで、数週間から数ヶ月はかかりますが、ケージに戻って欲しいときもクリッカートレーニングはおすすめです。
クリッカートレーニングのことが、特集記事として載っています。
はじめてでもわかりやすい解説が載っているので、これからクリッカートレーニングをはじめたい人におすすめの本です。
ケージに戻ったら
無事にケージに入ってくれたら、ご褒美のおやつをあげて、しっかり褒めてあげましょう。
飼い主が急にいなくなると「ケージの中は寂しい」と思ってしまうので、しばらく声をかけて「ケージの中も楽しい」と思ってもらえるようにします。
放鳥中はケージの扉を開けっ放しにしておいて、自由に出入りできる状態にしておきましょう。
気まぐれでケージに入っても、放鳥終了の時間までは扉を閉めないようにします。
すぐに扉を閉めてしまうと「閉じ込められた!」と認識し、ケージの中に入ることを警戒します。
どの方法が適切かはインコによって違うので、無理のない程度にいろいろ試してみてください。