セキセイインコの色と模様のバリエーションは、約5,000種類もあると言われています。
自分が飼っているインコが、どの種類のセキセイインコか気になりますよね。はじめてセキセイインコを飼う人にも、わかりやすいように解説します。
品種を見分ける基本情報
野生で見られるセキセイインコの原種は、黄色の顔に緑色の体、頭から背中と翼にかけて黒のしま模様が入っている1種類しか存在しません。
まれに青色や白色のセキセイインコが誕生することもありますが、自然界では目立ってしまうので生き残るのは難しいようです。
ペットショップで見かける、青色や黄色のセキセイインコは、原種から色素が抜けたものを交配し、作られた品種です。
カラーバリエーション
セキセイインコの色の仕組みは、メラニンなどの色素が含まれる割合によって変わります。難しいので、絵の具に置き換えて考えてみましょう。
絵の具の色と同じように、緑色から黄色の色素を抜くと、青色になります。緑色から黄色と青色が抜ければ、白色になります。
このように、原種に含まれる緑色の色素を基準に色を作っているので、色のバリエーションは大きく分けて、グリーン系、ブルー系、イエロー&ブルー系(イエローフェイスという)、全身1色の単色系に分かれます。
珍しい色では、グレーやファロー(黒の模様が茶色っぽい)などもいますが、ペットショップではあまり見かけません。もし売っていても、他のインコより高額な値段がつけられていたりします。
原種に赤色の色素は含まれていないので、赤色のセキセイインコはいません。
アイリスリングとは?
セキセイインコの白眼の部分を「アイリスリング」と言います。雛のときはほとんどのインコにアイリスリングはなく、生後半年ほどで現れてきます。
「ハルクイン」という品種は、大人になってもアイリスリングが出ません。アイリスリングの有無も品種を見分けるときに役に立つので、覚えていてください。
※交配を繰り返す過程で、まれにハルクイン以外でもアイリスリングが出ない個体もあります。
品種と色の呼び方
品種の呼び方は愛好家や専門家によって、多少の違いがあります。一般的には「イエローフェイス・オパーリン・バイオレット」などのように、品種+色で呼びます。
現在のセキセイインコはいろんな品種を掛け合わせて、いろんな品種が混ざり合っているので、「絶対にコレだ」と言い切れないこともあります。
1羽のインコでも「オパーリン」と「パイド」など、二つ以上の品種の特徴が出ることもあります。
セキセイインコの品種・見分けるポイント
ノーマル(並セキセイインコ)
ノーマル(並みセキセイインコ)は、後頭部から背中にかけて黒いしま模様があり、羽にも黒いさざなみ模様があります。
カラーバリエーションは、イエロー×グリーンとホワイト×ブルーの組み合わせが一般的。あまり見かけないけど、グレーやイエローフェイスのノーマルもいます。
原種に近いため、丈夫で飼いやすいと言われていますが、最近はあまりペットショップで見かけません。価格は1,000〜3,000円くらいで一般的です。
オパーリン
オパーリンは、ノーマルにある黒い縞模様が、頭部から背中にかけて抜けています。
翼のさざなみ模様もなくなっているものもありますが、残っている場合、後ろ姿を見たときに、V字に模様がなくなっているのが特徴です。
背中は胸と同じ色が出ます。
レインボー
一般的にレインボーと呼ばれている品種は、イエローフェイスのオパーリンのことを言います。
背中や羽のしま模様が薄く、全体的に淡い色のものを「パステルカラーレインボー」と呼び、人気の品種です。
パイド
パイドとは「色抜け」という意味です。羽やお腹など部分的に色が抜けています。
頭の色が黄色なら、お腹も黄色く色が抜けており、頭が白ならお腹も白色の色抜けがあります。
ハルクイン
レセシブパイド(劣性遺伝のパイド)とも呼ばれ、背中と羽の黒模様がまばらに抜け、お腹の下の方に青や緑の色が残ります。大人になってもアイリスリングが出ないのが特徴。
黄色のハルクインは「黄ハル」、白いハルクインは「白ハル」などと呼ばれます。
イエローフェイスのハルクインは「4色ハルクイン」と呼ばれ、少し珍しい品種です。ペットショップではあまり見かけません。
アルビノ
アルビノは、もともとメラニンの欠如による遺伝子疾患がある個体でしたが、現在は品種として確立されています。
色素が欠乏しているので全身真っ白で、目の色素もないので赤い目をしているのが特徴です。
他のセキセイインコと同様、日光浴は必要ですが、目が弱いので直射日光が当たらないように気をつけます。
黒目のアルビノは、「ホワイトブラックアイ」と呼び、珍しい品種です。
ルチノー
ルチノーは、全身が黄色で、赤目です。
アルビノ同様、メラニンの欠如からきており、黄色の色素だけが残った品種です。赤目は強い光に弱いので、こちらも直射日光には注意です。
黒い目のルチノーは「イエローブラックアイ」という品種になります。
全身がクリーム色だと「クレミノ」という品種になります。Cream(クリーム)とino(アルビノやルチノー)、合わせてCreamino(クレミノ)です。
アルビノ(albino)やルチノー(lutino)は、語尾のinoをとって「イノ系」と呼ばれます。
ウイング
背中や羽のしま模様が薄くなっている品種。グリーン系のウイングを「イエローウイング」と呼び、ブルー系のウイングは「ホワイトウイング」と呼びます。
ペットショップではあまり見かけません。
スパングル
羽のしま模様が、細く縁取るような模様になっている品種。
模様がスパンコールに似ていることから「スパングル」と呼ばれています。
セルフ
背中や羽のしま模様が、地の色と同じ品種。
ファロー
ファローとは「淡褐色」のこと。褐色は茶色っぽい色なので、淡い(うすい)茶色のことです。
本来セキセイインコにある黒い模様が、茶色がかった灰色をしています。
ファローもアルビノと同じように、色素が欠損しているので全体的に色が薄く、赤い目をしています。
同じファローでも、イングリッシュファロー、スコティッシュファロー、ジャーマンファローなどの種類があり、ジャーマンファローにはアイリスリングがあります。
ペットショップではあまり販売されていませんが、一度だけ近所のペットショップで売っているのを見たことがあります。他のセキセイインコは2,000円前後でしたが、ファローは1羽12,000円で販売されていました。
その他の品種
羽衣セキセイ
日本で誕生した品種。頭や背中の羽が巻き毛になっています。
普通のセキセイインコのように、オパーリン、パイド、スパングルなどの品種がありますが、まだそれほどバリーエーションは多くないようです。
ジャンボセキセイインコ
ジャンボセキセイインコは、その名の通りひと回り大きなセキセイインコです。
普通のセキセイインコの体長は20センチ程度ですが、ジャンボセキセイインコは23センチほどあります。
見た目の違いは、おでこが張り出していて、目が毛に埋もれているように見えます。立ち姿も堂々としていて、性格はおっとりしている子が多いようです。
まとめ
画像内にある鼻の色は目安です。いろんな品種が混ざっていたり、個体差もあるので、性別がわかりにくい場合もあります。
セキセイインコの品種のことをもっと詳しく知ろうとすると、遺伝についての知識が必要になってきます。
私もまだまだ勉強中なので、もし間違い等あればお問い合わせまでご連絡いただければ幸いです。
品種を詳しく説明している本は見つけられなかったけど、遺伝についてはこの本に少し載っています。(難しくてよくわからなかったけど…)
文字が多いので、結構読み応えのある本です。セキセイインコをもっと深く知りたいという方はぜひ読んでみてください。