セキセイインコは、生後6ヶ月を過ぎた頃から繁殖可能となり、発情する個体が出てきます。
野生のインコは、日が長く気温が高くなる春から夏に発情期を迎えます。
この時期の多少の発情は自然なことなので、それほど心配することはありませんが、発情行動が長く続く場合は病気を引き起こす原因にもなるので、対策を取る必要があります。
雛の時期を過ぎたら、インコの行動を注意深く観察しましょう。
発情してるときの行動
個体差があるのでインコによって多少異なります。
オスの場合
- 吐き戻しをする
- お尻をこすりつける
- 「ピロロロ〜」と高い声で鳴く
- 人に噛み付く
「吐き戻し」はメスに食べたものを与える求愛行動です。1羽で飼育している場合は、おもちゃや飼い主や鏡など様々なものが求愛対象となり、対象に向かって餌をドバッと吐き出します。(首を左右に振って撒き散らす様に吐く場合は、病気の可能性があります。)
吐き出した餌をそのままにしておくと、また自分で食べてしまうことがあります。吐いた餌は細菌やカビが発生しやすくなっているので、食べたり吐いたりを繰り返すと、「そのう炎」などの病気を引き起こします。
おもちゃや止まり木は清潔にし、吐いた餌はすぐに取り除くようにしましょう。
お尻をこすりつける行動は、交尾をするときの行動です。頻繁にお尻をこすりつけていると、お尻の羽が抜けてきたり、擦り切れて出血することもあります。
また、発情しているときは精巣が大きくなり、精子を作るための細胞分裂が活発に行われています。この状態が長く続くと、「精巣腫瘍」などの病気を引き起こす原因につながります。
お尻をフリフリして交尾行動のしぐさが見られたら、おもちゃや手で気をそらせてやめさせましょう。
メスの場合
- ろう膜(鼻)が茶色くカサカサになる
- 人に噛み付く
- 暗くて狭い場所でじっとしている
- 紙をちぎるなどの巣作り行動をする
- 背中をそらせて「シャチホコポーズ」をする
- 吐き戻しをする
- 糞がいつもより大きい
- 卵を産む
メスは発情すると攻撃的になり、背中をそらせお尻を上げた交尾の姿勢(いわゆる「シャチホコポーズ」)をとります。
止まり木をかじってボロボロにしたり、紙をちぎるなどの行動は巣作りの材料を集める行動です。ケージには糞きり網をつけて敷き紙をかじらせないようにし、紙や木材などは片付けましょう。
ケージ内に巣箱がある場合は撤去し、エサ入れもインコが入れないようなものにします。放鳥のときも巣とみなされそうなもの(バッグ、家具の隙間、束ねたカーテンの隙間など)は片付けるようにしましょう。
また、メスもオスほどではないが「吐き戻し」をすることがあります。これは雛に餌を与える行動です。オスと同じく、不衛生なので吐き出した餌はすぐにふき取るようにしましょう。
もしも卵を産んだら
メスは1羽だけで飼っていても卵を産むことがあります。通常、セキセイインコのメスは24〜48時間ごとに1つの卵を産み、数日かけて4〜6個の卵を産みます。1つ目の卵を産んでもすぐには温めず、3個ぐらいになってから温めはじめます。
このとき卵を取ってしまうと、メスは卵の数がそろうまで産み続けてしまい、体に大きな負担がかかります。卵を産みはじめたタイミングで擬卵(ニセモノの卵)を入れると、卵の数が足りていると思い込み、産卵の抑制になります。
最後の卵を産み終わり、卵を温めていたらそのまま10〜20日ほど温めさせてから、まとめて取り出します。
産卵は「卵詰まり」などの生殖器系の病気の原因になったり、卵を作るために栄養分が多く必要となることで、肝機能障害や骨の病気を引き起こすこともあります。
繁殖をさせない場合は、卵を産ませないように発情をコントロールする必要があります。
過剰な発情は病気の原因に
オスもメスも発情過多は病気につながり、寿命を縮めることになります。
一度発情スイッチが入ってしまうと、なかなか止められないので、日頃から発情しないような生活習慣を心がけるようにしましょう。