セキセイインコは丈夫で飼いやすい鳥ですが、病気になることもあります。
本来インコは捕食される動物なので、天敵に気づかれないように体の不調を隠す習性があります。
「病気かもしれない!?」と気付いたときには、症状が深刻になっているケースもあります。だけど、すぐに気付いて対処すれば治る病気がほとんどです。
いつもと違うところはないか、毎日インコの様子を確認しましょう。
セキセイインコの健康チェック
見た目のチェック
- 目が赤くなっていたり、はれていないか
- 鼻のまわりが汚れていないか、色が変わっていないか
- くちばしが伸びていないか、変形していないか
- 頭や顔が汚れていないか
- 爪が伸びすぎていないか、出血していないか
- 羽が抜けてはげていないか
- 羽の色は以前と同じか
- お腹や胸がふくれていないか
- お尻が汚れていないか
いつも通り元気そうにしていても、見た目の変化で病気に気づくこともあります。
例えば、くちばしが変形していたり長く伸びていたら、肝臓疾患が疑われます。
鼻や口にかさぶたのようなものがあれば、疥癬(かいせん)という病気かもしれません。
メスは、発情によって鼻の色が茶色く変わることがありますが、オスなのに茶色く変色してきたら、精巣腫瘍などが疑われます。
インコは換羽の時期に羽が大量に抜けますが、皮膚が見えるほど羽がなくなることはありません。
不自然に羽が抜けていたり、抜けた羽に血がついている場合、毛引きや自咬症(じこうしょう)、PBFD(ウイルス性の羽毛疾患)が考えられます。
毎日見ていると、小さな変化は気づかないことが多いので、定期的に写真を撮っておくといいですね。
体重の変化も重要なサインになります。体重測定は毎日の日課にしましょう。
参考になるサイト
目を覆いたくなるような痛々しい写真もありますが、写真が豊富でわかりやすいサイトです。
行動や仕草をチェック
羽をふくらませている
インコは体調が悪いときは、羽をふくらませて動かなくなります。
病気以外でも、寒いときや毛づくろいをしているときや、寝ているときもふくらむことがあるので、慣れないうちは見極めるのが難しいかもしれません。
寒いだけなのか、眠いだけなのか、よくわからないときはとにかく保温して様子を見ます。
28度〜30度くらいまで上げてもふくらんでいるようなら、病気の可能性が高いです。
糞がいつもと違う
健康なセキセイインコの糞は、水分が少なくコロンとした固形のウンチです。
さし餌を食べている雛は、餌に水分が多く含まれているので、少し水っぽい糞をします。
色は食べている餌にもよりますが、通常は深緑色をしています。
赤色や黄色のペレットを食べていると、糞の色もその色になります。
普段の糞の状態をよく覚えておきましょう。
下痢のときは、糞の形が崩れてドロドロになります。
糞の形はあるけど水分が多く出るときは「多尿」です。
夏の暑い時期や、換羽のときになることがあります。
多尿はそれほど心配しなくても大丈夫ですが、長く続く場合は獣医に相談してください。
吐いている
オスは発情していると求愛行動で食べた餌を吐き出します。メスも、吐き戻しをすることがあります。
この場合、首を縦に振って、足元や求愛対象に向けて吐き出します。
発情による嘔吐は生理的なものなので、それほど心配することはありません。
病気のときは、首を左右に振って、吐瀉物を撒き散らします。
吐く瞬間を見ていなくても、頭や顔が汚れている場合は吐いた可能性があります。
うちのピーちゃんは吐いているのをきっかけに、メガバクテリア症(マクロラブダス症)に感染していることが発覚しました。
くしゃみや咳をしている
インコも人間と同じように、くしゃみや咳をします。
1日に何度もするようなら、風邪かもしれません。インコの風邪の症状も、くしゃみや鼻水、咳が出たりします。
ただの風邪だと思っていても、肺炎を起こしたり呼吸器の病気の可能性もあります。
素人が判断するのは難しいので、念のため病院で診てもらいましょう。
元気がない・食欲がない
いつもはケージの扉を開けると一目散に外に飛び出してくる子が、なかなか外に出てこない。
いつものように鳴いたり喋ったりしない。
餌を全く食べていないなど、少しでも普段と違うと感じたら、保温をしてよく観察してください。
換羽のときも、元気がなくなることがあります。
体重の増減はないか、糞の状態、嘔吐やケガをしていないかなども合わせて確認しましょう。
口を開けて呼吸をしている
暑いときや運動の後は、口を開けてハァハァと呼吸をすることがありますが、何もしていないときに口を開けて呼吸をしていたら、呼吸器系の病気が疑われます。
セキセイインコの呼吸は、人間が耳を近づけても呼吸音は聞こえません。
もし、「ゼーゼー」や「プチプチ」など異常な呼吸音が聞こえる場合は、肺炎や甲状腺腫などが疑われます。
病気のときの応急処置
インコの体調不良に気づいたら、まずは保温することが大切です。
プラケースやキャリーケースにインコを入れて、ペットヒーターで28〜30度まで暖めます。暑がっていないか、確認しながら温度を調節してください。
放鳥や水浴びはせずに、ケースにタオルをかぶせ薄暗くして、ゆっくり休ませます。
症状が軽い場合は、保温するだけで良くなることもありますが、どんな病気が隠れているかわからないので、すぐに動物病院を受診してください。
「EPARKペットライフ」というサイトで、鳥が診れる動物病院を、検索&ネット予約することができます。