雛の育て方

雛の卒業。さし餌からひとり餌に切りかえる方法

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インコの雛の餌

手の上でピーピー鳴きながら餌をねだるかわいい雛も、数週間で飼い主の手を離れ独り立ちします。ちょっと寂しいですけど、一人で餌を食べられるようになると少し肩の荷がおりますね。まさに親心です。

 

さし餌はいつまで与えればいいのか、どのように大人の餌に切り替えればいいのか、はじめは少し戸惑うと思います。切り替わる早さは個体によって違うので、焦らずゆっくり、雛のペースに合わせて進めましょう。

 

まずは下準備

・毎朝、同じ時間に体重を量り雛の体重を把握する。

・雛が食べるさし餌の量を量る。

 

さし餌は毎日少しずつ減らしていきますが、その際インコの体重を基準にすると減らしすぎを防げます。

キッチンスケールで毎朝さし餌を与える前に、雛の体重を計ることを習慣にしましょう。昼や夜は、活動量やフンの量で体重が増減します。毎朝同じ時間に量って、メモをつければ体重の増加が把握しやすくなります。

 

体重と同時に、食べた餌の量も記録しておくとわかりやすいです。

 

たとえば、朝さし餌を与える前の体重が35gで、さし餌を与えたすぐ後の体重が37gだと、さし餌を2g食べたことになります。

2〜3日、さし餌の度に体重を計り、雛がいつもどれくらいの量を食べてるのか把握しておきます。

インコ体重

 

いつからはじめる?

目安としては生後1ヶ月を過ぎた頃から徐々に切り替えていきます。

 

他にも以下の様な特徴が見られたら、切り替えても大丈夫です。

  • 飛ぶ練習をしている、または飛べる様になった
  • 羽が生え揃い、見た目は大人のインコと変わらない
  • さし餌中に動き回って食べることに集中しない
  • さし餌を嫌がる、または食べなくなった

 

 

さし餌卒業のスケジュール

ステップ1.エサをまく

ケースの底に、乾いた粟玉をパラパラとまいて雛が食べるか観察します。

見向きもしない、または口に入れるけど食べない場合は次の日も粟玉をまいておきます。

鳥には拾い食いの習性があるので、そのうち食べる様になります。

 

乾いた粟玉を食べる様なら、ビンのふたの様な浅い容器に乾いた粟玉を入れケースの中にセットします。飲み水も入れておいてください。

余ったさし餌やふやかした粟玉は細菌が繁殖しやすので、ケースに入れておくのは必ず乾いた粟玉にしてください。

 

 

ステップ2.皮付きのエサを入れる

乾いた粟玉を問題なく食べていれば、皮付きの混合シードも底に蒔きケースに入れておきます。はじめは皮がうまくい剥けない子もいるので、合わせて粟玉も入れておくといいでしょう。お水も忘れずに。

 

皮付きのシードを問題なく食べているようなら、粟玉は与えなくても大丈夫です。

 

あまりシードを食べていなければ、粟の穂も入れてみましょう。

粟の穂は枝についた状態の粟の束で、嫌いなインコはいないんじゃないかというくらい鳥たちに愛されています。

さし餌卒業

 

 

ステップ3.さし餌の回数を減らす

徐々にさし餌の量と回数を減らしていきます。

例えば、1日3回さし餌を与えていた場合、1日目に朝夕は今まで通りの量を与え、昼のさし餌はいつもより少なめに与える。

 

次の日の朝、体重が減っていなければ一人で乾いた餌を食べているということなので、昼のさし餌をさらに少なくし、数日後には朝夕の2回だけにする。

 

このように少しづつ減らしていき、最終的にさし餌は朝(または夕方)だけにする。

体重が極端に減っているなら、さし餌の回数を戻します。

 

ある日突然、雛の方からさし餌を拒むこともあります。

乾いた餌を食べ、体重が激減していなければさし餌を辞めても大丈夫です。

 

 

体重の増減はあくまで目安

体重は毎日量り、その推移を参考に切り替えを進めていくのですが、あまり神経質にならなくても大丈夫です。

 

インコの雛は飛べるようになると運動量が増え、脂肪が筋肉に変わることもあり、一時的に体重が減ることもあります。

 

体重の変化だけをあてにせず、どれくらい餌を食べているか、羽を膨らませていないか、糞はいつもと変わらないかなど、不調のサインを発していないかよく観察するようにしましょう。

 

 

ステップ4.大人のエサに切りかえる

完全にさし餌を食べなくなったら、卒業です。

ケージの中には、皮付きのシード、飲み水、ボレー粉、青菜などの野菜を入れておきます。

 

シードは毎日新しいものに取り替え、一日に数回殻を取り除きます。

水は毎日取り替えます。糞や羽が入ることもあるので、できれば朝夕の2回取り替えると衛生的です。

 

ボレー粉は、シードと別の容器に入れるなら数日おきに取り替えます。一日ひとつまみをシードの中に入れても大丈夫です。

 

シードが主食の場合、足りないビタミンを補給するためにサプリメントを与えることが推奨されています。特に有名なのは「ネクトンs」という総合ビタミン剤で、毎日の飲み水に溶かして与えます。

 

 

ペレットが主食の場合は、鳥に必要な栄養素が十分に配合されているので、ボレー粉や野菜、サプリメントは必要ありません。

 

 

焦らず、雛のペースに合わせよう!

インターネットで検索していると「早くさし餌を卒業しないと、そのう炎になる」という情報をよく目にしますが、これは少し違っていると思います。

 

「そのう炎」は雛によくある病気で、細菌、真菌、ウイルスなどによってそのうが炎症を起こした状態を言います。

さし餌を長く与えているからなるのではなく、食滞や免疫力の低下により菌が繁殖してしまうことがおもな原因です。

さし餌は常に作りたてのものを適切な温度で与え、冷めたものや時間が経ったものは菌が繁殖しやすいので与えない様にすればそのう炎は予防できます。

 

そのう炎を恐れて、早くさし餌をやめなくては!と焦る必要はありません。だからと言っていつまでもさし餌を与え続けるのも良くないので、目安としては生後35〜90日くらいの間に切り替わるのが理想です。

 

あっさり切り替わるインコもいれば、いつまでも甘えてなかなか独り立ちしないインコもいます。あくまでも雛のペースに合わせましょう。

 

 

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