ペットショップでは元気にしていた雛を家に連れて帰り、餌を与えようとしたら全く食べてくれないということが稀にあります。
はじめてインコの雛を飼う場合、原因がわからずパニックになってしまうかもしれません。
まずは落ち着いて、ひとつずつ原因を探っていきましょう。
ペットショップで与えられていた餌と違う
雛を購入する際に、「どんな餌を与えていたか」「1日何回、何時頃に与えていたか」を確認しておきます。
そして同じ餌を購入して、さし餌の作り方も教えてもらえば安心です。
もし、聞くのを忘れていてもすぐにショップに電話をすれば教えてもらえます。
スプーンが変わっただけでも食べなくなる神経質な雛もいるみたいです。
できるだけペットショップで与えられていた時と同じものを用意しましょう。
環境の変化に戸惑っている
ショップから連れて帰ってすぐは、環境の変化に怯える雛もいます。
しばらくはあまり覗き込まず、ケースの半分にタオルなどをかぶせ薄暗くしておきます。そして、静かに優しく話しかけ、人間がいることに徐々に慣れさせていきます。
さし餌の温度が低い
さし餌を与える時は、湯煎をしながら40〜42度をキープします。
冷たいさし餌は、あまり食べてくれないどころか、体を冷やしたり、消化不良の原因にもなります。さし餌を与える時は、必ず温度を確認しながら与えましょう。
また、熱すぎるのも火傷の恐れがあるので気を付けましょう!
与える角度が悪い
意外と角度も重要です。
親鳥が雛に餌を与える時は、斜め上から流し込むようにして与えています。同じように人間が与える時も、スプーンを斜めに傾け少し上から、喉をスムーズに通るように与えます。
スプーンから餌がこぼれてしまうので、先が尖ったスプーンを使うと与えやすいです。
「育て親」というスポイトのようなものも売っていますが、これは文鳥や十姉妹のように口がパカッと開くタイプの鳥に使うものです。
インコは嘴が下向きについているので、スプーンの方が安全です。
お腹が空いていない
餌を与えるときに、そのう(喉のあたり)を確認する習慣をつけましょう。
与える前と後では、違いがはっきりわかると思います。
餌を与えようと思っても、前回食べた餌がそのうに詰まっている状態ではお腹が空いていないのであまり食べることができません。
しばらく時間をおいて、もう一度そのうを確認してみてください。
それでも、そのうに餌が残っている場合は「食滞」という症状も考えられます。
そのうの位置
そのうは喉から胸のあたりにありますが、毛が生えてくるとわかりにくくなってきます。
正面から見るより、首元の毛がない部分をかき分けると見やすいと思います。
そのうがいっぱいになってくると、肩のあたりまで膨らんでいるのがわかります。(写真は満腹の状態です)
もしも食滞になったら
「食滞」はそのうに溜まった餌が胃に降りていかず、留まってしまう症状です。
固めに溶かれたさし餌を与えると、水分だけが先に消化してしまいそのうの中で餌が固まってしまうことがあります。パウダーフードのみを与えてると発生しやすいそうです。
その場合、40度前後のお湯を飲ませ、優しくゆっくりそのうをマッサージすると、中の餌がほぐれ消化が促されます。2〜30分おきに確認し、マッサージを何度か繰り返します。
数時間経っても改善されないようなら、病院で診てもらってください。
そのうは皮が薄いので、はじめて小鳥を飼う人には触るのも怖いかもしれません。不安に思ったら迷わず獣医師を頼ってください。
病気の可能性も
上記の原因がどれも当てはまらない場合、病気の可能性もあります。
まずは、ケースの中の温度を30度まで上げ、しっかり保温し、雛の様子を観察します。
- 温度を上げても膨らんでいる
- 吐いている
- 糞がいつもと違う
このような症状があるときはすぐに病院に連れて行ってください。雛は大人のインコに比べて体力がないので、1日食べなかっただけでも死に至ります。
特におかしな症状がない場合、数時間保温をするだけで、体が温まり食べられるようになることもあります。
何をやっても食べない時は病院へ
手を尽くしても食べてくれない時は強制給餌になりますが、素人が独断でするのは危険です。病院へ連れて行き獣医師の指示に従いましょう。