セキセイインコは年に2回、羽がはえ替わる「換羽(かんう)」があります。
換羽の時期は元気がなくなったり、イライラしたりするインコもいます。
体力を消耗するので、病気になりやすい時期でもあります。
飼い主も換羽のことをしっかり理解して、インコが過ごしやすいようにケアしてあげましょう。
セキセイインコの換羽の時期
成鳥のセキセイインコの換羽は、主に季節が変わる春と秋です。
換羽の時だけ羽が抜けるのではなく、1年中、毎日羽は抜けます。
だけど、換羽の時は、いつもよりたくさんの羽が抜けます。
小さな羽だけではなく、尾羽や風切羽も抜けるので、すこしびっくりするかもしれません。
雛の場合は、生後2〜5ヶ月くらいに大人の羽にはえ替わる「雛換羽(ひなかんう)」があります。
この時期の雛は、免疫力が低下し、病気になりやすいので注意してください。
換羽は、だいたい数週間〜1ヶ月ほどで終わります。
部屋の温度が1年中同じ温度になっていると、適切な時期に換羽がこなかったり、1年中続くこともあります。
もちろんインコの体に良くないので、冬は寒すぎない程度に寒く、夏は暑すぎない程度に暑く、季節感のある暮らしを心がけるようにしましょう。
また、発情しすぎているインコも、適切な時期に換羽がこないことがあります。
発情しすぎると、換羽だけではなく、いろいろな病気を引き起こす原因になるので、環境を見直して発情を抑制するようにしましょう。
換羽の時のインコの様子
個体差もありますが、次のような症状が多く見られます。
- 元気がなくなる
- イライラして噛み付く
- 頭や体をかゆがる
- 体重が減少する
- 多尿になる(フンに水分が多い)
うちのインコは、換羽になると明らかに元気がなくなり、放鳥中もあまり飛ばなくなります。
そして、頭がかゆいみたいで、普段は触られるのを嫌がるくせに、換羽の時だけは頭やほっぺをカキカキさせてくれます。
この時期は、あまり無理にかまわず、元気がなければ放鳥も控えめにし、ゆっくり休ませてあげましょう。
インコの羽がはえる仕組み
インコの羽は、人間の髪の毛と大きく異なります。
髪の毛のように、毛根があるわけではなく、皮膚が変形して羽になります。
換羽の時のインコの頭を触ると、皮膚がボコボコしています。
この膨らんだ皮膚から、トゲのようなものがはえてきます。
はえてきたばかりの羽には、血管が通っていて血が流れています。
羽が育つに従って、筒状のさやのようになります。
この状態を「筆毛(ふでげ)」と呼びます。
この中で羽ができて、最後に筒状のさやがとれて、きれいな羽が出てきます。
筆毛はさわると痛い?
うちのインコは、触っても痛くないみたいです。
それよりかゆいみたいで、かいてあげると気持ちよさそうにしています。
でもたまに、痛いこともあるようで、かいている時に急に「ギャギャギャー!」と怒ることもあります(^_^;)
もしかすると、血が通っている赤い筆毛は、痛いのかもしれません。
筆毛のさやは、インコが自分で毛づくろいをしながら剥がすので、飼い主がとってあげる必要はありません。
あまりさわると折れて出血することもあるので、触りすぎないようにしましょう。
インコが自分で筆毛を触りすぎて出血してしまうこともあります。
その場合、出血している筆毛を抜かなくてはいけません。
素人には難しいので、すぐに病院で診てもらってください。
換羽の時に飼い主ができること
たんぱく質の多い餌を与えよう
換羽の時は、体力を消耗するので、いつもより栄養価の高い食事を与えます。
特に大事なのは、羽を作る働きがある「たんぱく質」です。
シードの場合
普段の餌にたんぱく質が多い「オーツ麦(えん麦)」や「カナリーシード」を、少し足して与えましょう。
また、シードだけでは必要な栄養が補えないので、小松菜などの野菜も毎日与え、飲み水にサプリメントを溶かして与えます。
「ネクトンBIO(バイオ)」は、換羽の時期に必要な、ビタミンや必須アミノ酸などの栄養素が配合されています。
普段は「ネクトンs」を与え、換羽の時だけ「ネクトンBIO」に切り替えます。
ペレットの場合
たんぱく質が豊富に含まれているペレットは、ハリソン社の「ハイポテンシー」とラウブディッシュ社の「ハイエネルギーブリーダー」です。
主食にペレットを与えている場合、野菜やサプリメントは必要ありません。
温度管理も気をつけよう
換羽の時期は、体調を崩しやすい時期です。
また、季節の変わり目で急に寒くなったり、暑くなったりします。
夏の終わりには、早めに保温器具を出して、朝晩の冷え込みに備えるようにしましょう。